女性部下をやる気にさせるマジックワード ”その一言”でチームは飛躍する

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乳製品メーカー企業に勤務するAさん(27歳)は、こう切り出しました。

「ちょっと聞いてください!私は目標に対する具体的行動計画を上司に提出してと言われ、顧客へのストラテジーについて、正直悩んでいたんです。だって、振り分けられたのは、大小規模様々な業界の顧客で、どれも先輩から引き継いだものばかり。それで上司に『どのようにしたら良いか』と相談をしたら、『ふざけるな!営業担当はオマエだろ!オレは事業部長で実務は知らないし、俺の判断することじゃない』と叱られてしまったんです……」

”懐古談上司”になっていませんか?

あらら、かわいそう…男性上司の皆さんは、この発言をどう思われますか?
おそらくは上司の方は自主性を重んじて「自分で考えてほしい」とあえて突き放したのかもしれませんが、このような言葉を投げられた彼女は、見放されたような気分になり、まるで捨て鉢気分になり、それ以来、上司に相談するのは避けるようになりました。というのも、Aさんとその上司との鬱屈は今に始まったことではなく、昨年の1月、こんなやり取りもあったからなのです。

「『今までのような生ぬるいやり方では今年の予算は絶対達成できない。だから土日も休まず働く気でやれ!』と上司から根性論をかざされたんです。根性論ですよ?」

Aさんは「さすがにこのとき、嫌気がさしました」と悲しい表情を浮かべていました。

たしかにこの上司も古き良き時代に名を馳せたトップセールスマンだそうで、その発言は至極理解できるものなのですが、「とにかくやれ」「いいからやれ」「さっさとやれ」という典型的な“理不尽命令上司”の為、これでは上司の意図する目標どころか、チーム崩壊の危機に陥ってしまうのではないでしょうか?

また老舗の出版系企業に勤務するBさん(36歳)も、時代の変化についていこうとしない上司が多いと嘆きます。

「なにかにつけ『昔はこうだった』とすぐに過去の栄光を振りかざすんです。確かに上司が若かった頃は、社員数も多く、御用聞き営業が基本でしたし、弊社はこの界隈だと寡占状態だったんです。

でも今ではインターネットや若いベンチャー企業の脅威が凄まじい。生え抜きで20年30年働いている人には見えないことが現場にはたくさんあります。『自分たちはこうだったから』ではうちのような斜陽産業だともうダメですよ…わかってないんです」

これは“THE懐古談上司”の典型ですね。もしかしたらあなたも、知らないうちに「オレの時代では、営業がして当たり前だったよ!」なんて、つい口走ってしまってはいないでしょうか。現場で起こっている微妙な変化も知らなければ、指示も常にあいまいなもので終わり、具体性に欠けてしまいます。それでは「根性論」「放任」として部下に受け止められても仕方がないのでは、と思います。

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