「売れない営業」は日報を全く生かせていない 売れる宝を発掘するカギは「見える化」にあり
標準プロセスで大枠が決まったあとは、次に目標を定めていきます。会社として大きな目標は、もちろん「業績(売上)アップ」でしょう。そのために必要なのは、業績アップストーリーです。会社ごとに設けている経営計画や経営方針がありますが、その中に業績アップストーリーが書かれているはずです。なければ、作ってしまいます。
まずは、顧客のターゲッティング。「狙うべき顧客は誰なのか? 新規なのか、既存なのか」を決めます。そこが定まれば、「業種は?」「規模は?」「(個人の場合)属性は?」など、細かく絞っていきます。
その結果、たとえば「新規客である教育産業に、既存商品の新規用途提案を行う。そのために、専用の企画書を作成し、アプローチする」など、具体的な目標が固まってくるはずです。これが、「ストーリー」です。業績アップストーリーができてしまえば、あとはそれを達成するために、「指標化」していきます。つまり、細かい行動に落とし込んでいくのです。
まずは、大目標を決めます。たとえば、「年間で新規客を12件獲得する」が大目標だとしましょう。そこから、「月に1件の新規客獲得しなければならない」→そのためには、「新商品検討を最低5件は行う必要がある」→そのためには、「企画書を10件は提出して」→「新規アポイントをとる件数は……」などと、細かい目標を逆算していきます。すると、「1日の目標」「1週間の目標」「1月の目標」など、自分の行動がスケジュールとなり、「見える化」されてくるはずです。
決めたことができていなければ、随時、軌道修正をはかっていくことも重要。「目標が可視化」されているので、日々の振り返りも可能となります。
日報で「頑張っている」アピールをさせないことが重要
標準プロセスも決めた、業績アップストーリーも作成した――。なのに、なぜかうまく進んでいない。そんなときは、日報の読むポイントが間違っているのかもしれません。気合いや努力だけで受注がとれる時代は終わりました。今見るべきは、「営業マンの感想」ではなく、「顧客の反応」「競合の情報」です。
放っておくと、日報は営業マンの感想文を書く場所になってしまいます。それも、「こんなことがあって大変だった」などの事後報告。これを避けるために、営業マンに「日報=計画書」という感覚を徹底して身に付けさせましょう。「こんなことがあって大変だった」だけではなく、一歩進めて「次は、このような対策で臨もうと思う」まで書かせるのです。そうすることで、日報が「ただの感想文」から「次回の行動計画書」に昇格していきます。
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