ついに動き出した、巨艦・NTTのO2O

日本最大級の実証実験の衝撃(上)

実証実験でありながら、運営にも力を入れている。“コミュニケーター”と呼ばれる、店舗とのコミュニケ―ションを積極的に取る専用スタッフを数名雇用し、現地に専用事務所を設置した。コミュニケーターは、週3日は店舗を回り、店舗側の課題や要望をヒアリングするという。

コミュニケーターのサポート活動は、さまざまだ。

たとえば、ウメダ・スタイルクリップの場合、店員が写真を投稿する機能があるが、接客中は店員のスマートフォンの使用を禁止している店舗が多い。そこで、コミュニケーターたちが店舗を回り、店員の代わりに写真撮影を代行する。また、店員に「こんな感じでコメントをすると、お客様に人気が出ますよ」といったアドバイスまでする。

大阪のNTT西日本はもちろんのこと、高屋氏ら持ち株会社のメンバー、NTTコミュニケーションズのメンバーも定期的に現地に足を運ぶ。阪急阪神、博報堂のメンバーも、それぞれ店舗や来店者の声を現地で集め、定期的にミーティングを重ねている。東京も大阪も週1回のペースで打ち合わせを行っている。

本気のビッグデータ実験

多くの企業にとっての共通課題であるビッグデータ活用について、NTTグループは本気で取り組んでいる。

「ビッグデータを使わないレコメンドと、ビッグデータを使ったレコメンドは本当のところどれだけ違うのか、しっかり検証していきたい。

ただ、ビッグデータは、費用対効果が見えづらく、まだまだこれから。クラスタ分析や属性分析は、やればやるほどコストがかかる。効果の見極めが難しい」と高屋氏は話す。

レコメンドとは、消費者が興味・関心を持ちそうな商品やサービスなどをおすすめする手法のことだ。たとえば、Amazonでは、その消費者の過去に購入した商品や閲覧した商品に基づいて、自動的にその人が購買したくなるような商品を画面上におすすめする。一般的にO2Oにおけるビッグデータの取り組みは、このAmazonの仕組みをリアル店舗の商品やサービスにおいても実現しようとしている。

ビッグデータには、個人情報の問題もある。

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