NTTの真の狙いとは
「消費者と事業者の間を情報通信技術でつなぐ、というのがわれわれの立ち位置になる。ネットとリアルが融合していく時代において、11年ごろから“O2O”という消費の流れが来ている。これは、スマートフォンの影響が大きい。はたしてO2Oが実際、どれくらいの価値を生むものなのか検証してみたい。
われわれにとっても価値のある市場になる可能性を非常に感じているが、まだ証明はできていない。そこを検証したい」と、日本電信電話株式会社・新ビジネス推進室で次長を務める高屋洋一郎氏は話す。
日本電信電話は、NTTグループの持株会社である。
高屋氏の属する新ビジネス推進室では、NTTグループ横断で取組む共通テーマやNTTグループで共同に事業を作っていけるところはないか検討し、グループ全体のイニシアティブをとる役割を持っている。そこに11年春ごろから、“O2O”というミッションが、新たに加わった。
プロジェクトにかかわっている人数はどれぐらいなのか。
「持ち株会社では、われわれ新ビジネス推進室で6人、研究企画は2人。NTT研究所は大勢いるので数えられない。NTT西日本とNTTコムグループからは、それぞれ約7~8人。NTTドコモグループがおよそ4人」と、日本電信電話・新ビジネス推進室のサービス戦略担当部長である福島博之氏は話す。
ざっと挙げただけで約40名いる計算だ。今まで筆者が取材した日本のO2O事業者の中でも最大級の規模だろう。世界屈指の情報通信技術を持つNTT研究所が、バックを支えている点も見逃せない。
大変な力の入れようだが、これはNTTグループが考える本サービスではない。NTTグループがO2Oそのものの市場価値を検証しようと仕掛けた1つの“実証実験”にすぎないのだ。
そもそもなぜ、NTTグループは関西を実証実験の舞台に選んだのか。
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