食べログと組むヤフーの爆速戦略 グルメ情報で“最強タッグ”
日本最大級のインターネット総合情報サイト「Yahoo! Japan」を運営するヤフーが、外部との事業連携を矢継ぎ早に打ち出している。アスクル(4月)、クックパッド、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(6月)に続き、8月27日には、「食べログ」を運営するカカクコムと新たに手を組んだ。
「Yahoo!Japan」は、約4925万人(6月時点、Nielsen Online調べ)の月間利用者を抱える。一方、「食べログ」は3619万人(7月時点、自社調査)の月間利用者を抱える日本最大級のグルメサイトである。
ヤフーは今回の提携により、「Yahoo!Japan」内の左側に表示されるグルメジャンルに関する箇所を中心に、9月上旬から「食べログ」へのサイト誘導を開始する。また、年内をメドに「食べログ」の情報を「Yahoo!Japan」の検索結果や、ヤフーの地域情報サイト「Yahoo!ロコ」内でも表示する。まずはパソコン版から連携を始め、時期は未定ながら、今後はスマートフォンでの連携も進める意向だ。
「食べログ」にとっては、さらなるユーザー数が獲得できるメリットが生まれる。ヤフーとしては、「食べログ」で発生した広告収益が分配されるほか、スマホ版での有料課金ユーザー獲得に対する収益も自らに入る。加えて、「Yahoo!ロコ」を活用した実店舗がオンライン空間から客を呼び込む「O2O」(オンライン・ツー・オフライン)の促進を進めており、「Yahoo!ロコ」を通じた提携店舗からの手数料収入や広告収入などを拡大したい考えだ。
ヤフーは6月に就任した宮坂学・新社長の方針のもと、全150あるサービスのうち上位20に絞り込み、それ以外は外部との業務提携を促進している。今回は11年6月に「Yahoo!ロコ」に集約された「Yahoo!グルメ」の口コミ機能が、「食べログ」に代替される格好だ。