投資家が、安倍政権批判を始めるとき 円安、株高はどこかで終わる

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小

そして、問題は、国債のトレーダーだ。

トレーダーは、為替、国債、株で、すべて異なった人々となっているが、彼らの行動パターンやキャラクターも大きく異なる。株式は上昇トレンドで基本的に儲け、下げトレンドなら、仕方なく空売りをする投資家が多数派だ。

だが、国債では、買い持ちの長期投資家(生保、年金など)と、短期の売買で利益を出すトレーダーとは、まったく違う行動パターンを取る。

一方、為替は、常に短期の乱高下あるいは小さな動きで儲けるトレーダーがほとんどだ。まず、為替トレーダーが円高方向の乱高下にシフトすれば、次は、これまで鳴りをひそめていた国債トレーダーが大きく売りから入ってくる可能性がある。こうなると、流れが変わり、国債暴落シナリオを騒ぎ立てて、トレンドを作るほうが有利になってくる。こうなったときが、180度の変化が訪れるとき、つまり、日銀への圧力がやりすぎだと非難が高まるようになる、潮目が変わるときなのだ。

こうなると、銀行関係者は政権批判を痛烈に始める。国債を持ちすぎているから、空売りで対処しようがないから、国債の下落を抑えてもらうしかないからだ。株を空売りする投資家たちも、政権批判の方が、短期には下落が加速するから、批判を強める。だから、政権は、やりすぎ、ということで、投資家(政治家やメディアの好きな言葉で言えば市場だが、それは誤りだ。市場圧力と言うものは存在しない。その背後には投資家の塊がいるだけだ)全体から攻撃を受けるだろう。

したがって、夏の参議院選挙までに、有権者にも投資家にも見放されないために、安倍政権は政権成立後は、慎重なミスのない、アウェイゲームが求めらることになる。

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT