バーへは、ひとりで行こう―女性編 女だって、ひとりバー。

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「それは、男性が(属する組織内での)立ち位置を確認でき、そこでの評価が得られれば満足、完結できる生き物だから」

「日本の企業というのは、完成したひとつのシステムで、一度そこに入りさえすれば、人生に必要なすべては会社が面倒を見てくれる。収入、趣味、友人、恋愛、結婚、家を買う、旅行に行くなど、自分で考えたり探したりする必要がない」

「だから、就職すると、男性は、他のことを考えずに(考える必要なしに)与えられた業務に集中、組織に貢献して、評価、賞賛されることに集中できる。すべてが会社の中で満たされるから、家にはただ寝に帰るだけでいいんです」

それに対し、女性は「基本的に共感を求める生き物なので、いつも、自分がこう思う、こうしたいという意思がある」

もともとが男性発想で成り立っている組織の中で、女性が男性と対等に働くためには、「日々、自身の働き方や生き方との擦り合わせを行い、自分自身を納得させていくことが必要になる」というのがT氏の説。

「組織で働く女性のストレスは半端ない」というのが結論でした。

女性のみなさま、ほんとに、毎日、お疲れさまです。

ぜひ、会社帰りに、職場の人間関係からも、家族のしがらみからも解放されて個としての自分自身を取り戻せる、サードプレイスとしてのバーを、見つけてくださいね。

 

わたしが、バーをはじめたわけ。

10年前にバー、Hollyをはじめたとき、わたしがつくったコンセプトは、「女の子がひとりでも(気軽に)飲めるバー」でした。

当時はまだ、いまほど、女性がひとりで、どこにでも出かける時代ではなく、特にハードルが高いとされていたのは、牛丼、焼き肉、ラーメン、そしてバーでした。

ただ、わたし自身が酒好きで、仕事の後、ひとりでバーでクールダウンしてから帰宅すると、ストレスを家庭に持ち込むこともほとんどなく、翌日も調子がいいとわかっていたこと。

そして女性だって、男性と同じように仕事をしていたら、ひとりになって息抜きをする時間と場所も必要なはず、そう思って、2002年の4月に、下北沢で、Bar Hollyを始めました。

企業=男性社会の色が濃かった当時、その中で働く女性たちが、会社や家庭のしがらみから解放されて、ひとりの自分にもどってほっとできるオアシスをつくりたかったのです。

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