「インドのビジネススクール」というと想像がつかないかもしれませんが、国内最高峰だけあって、学生はインドの過酷な受験戦争を勝ち抜いてきた実力派と、海外在留の上流階級インド人またはインド系外国人といった、選りすぐりのインド人エリートが集まっていました。
インドには変革者が生まれる素地がある
ISBは最低2年以上の仕事経験も必須なので、すでに仕事で一定の成功を収めた人たちがさらなる高みを目指してやってくるわけです。インド人は英語もネイティブだし数字にも強い、おまけに留学生比率が少ないので、唯一の日本人(というか唯一の東アジア人)である私は、皆についていくだけで大変な苦労でした。
インドは目下、急速な成長を遂げているとはいえ、貧困などの社会問題を多く抱えています。社会の過酷な現状を目の当たりにして育ってきたような学生は、自然と「会社を起こして大きく成長させて、自分の出身地にたくさんの雇用を生み出したい」など、立派な志を持つようになります。
解決すべき社会問題が山積みで、なおかつ国が頼りにならないと、わざわざ「社会起業」を意識なくても、そういうマインドを持った人がふつうに育ってくるのだと思います(日本もそうなりつつありますね)。
そして入学後、半年ほど経って、就職時期を迎えます。この時期になると多くの企業がリクルーティングのためにキャンパスを訪れます。コンサルティング、投資銀行、メーカーといった人気分野から外資系(主に欧米資本)の超一流企業の名前が並びます。
提示される年収も、日本円にして5~600万円から1000万円を超えるケースもあり、インド人の平均年収が50万円を切るとも言われていることと比べれば、とんでもないレートです。当然、学生は就職活動に非常に熱を入れて取り組むわけで、気がつけば、優秀な学生ほどそういったグローバル外資に就職を決め、就職活動は一段落するのです。
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