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ドラギ総裁のパクス・ロマーナと欧州の展望 景気・経済観測(欧州)

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  • 田中 理 第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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「パクス・ロマーナ」を脅かす材料はなお多い

今年を振り返ると、ユーロの崩壊や分裂の危機も囁かれた欧州に秩序と安定をもたらしたのは、ECBのドラギ総裁による7月のユーロ防衛宣言と新たな国債購入策(OMT)の存在が何よりも大きかった。「ユーロ防衛に必要なあらゆる措置を行う準備がある」とし、事実上の無制限の国債購入を約束したことで、救済基金の支援能力不足への不安は封印され、スペインやイタリアに対する過度な悲観心理は後退した。

では、ドラギ総裁がもたらした「パクス・ロマーナ」は今後も続くのだろうか。

13年を展望しても、イタリアの総選挙前倒しとポスト・モンティ体制下での改革後退リスク、ギリシャの社会不安の高まりとユーロ離脱リスクの再燃、景気下振れと地方の財政難によるスペインの財政悪化と格下げリスク、銀行同盟を巡る各国間の不協和音など、多くの不安要素を抱えている。

これらが単なる不安材料にとどまらず、現実のものとなった場合、いかにECBが後ろに控えているからと言って、市場に動揺が広がることは避けられない。

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【実際に無制限購入が発動された場合の効果は?】

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