成熟社会でも食える4つのエリア 藤原和博(その6)

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渡邉:宗教業界を産業として育てるために、どんな政策が必要なんでしょうか。

藤原:宗教法人から課税すべきだと思う。

渡邉:そうすると、宗教法人が弱りませんか?

藤原:だから、「宗教法人がいろんな事業をやってもいい」というふうにすればいいんですよ。もっと信者を増やして、そこで働く人を増やしてもらう。

渡邉:課税する代わりに、規制緩和をするわけですか。

藤原:そう。宗教法人にとっても、もう「建物を建てていたらいい」という時代ではないでしょ。

渡邉:幸福の科学は、立派な建物を建てていてびっくりしますよね。

藤原:建物を建てるのに数十億円もかけるぐらいだったら、税金を払ってもらう代わりに、遠慮なく従業員を増やしてもらったほうがいい。宗教法人が従業員を抱えるのはすごくいいことだと思う。だって、それは準公務員じゃない。

渡邉:確かに。宗教法人の従業員は準公務員ですね。

宗教団体で働くと、生きがいを感じられる

藤原:実は、和田中の隣は、あるメジャーな宗教団体の発祥の地。だから、和田中で教団の組織の人の子弟をあずかったこともあるのね。

無理な布教もしてこないし、仏壇を買ってくれというセールスもない(笑)。従業員の人たちと付き合ってよくわかったんだけど、教団で働くのは、給料は高くないけれども、生きがいを感じられるようなシステムなんです。

だから今後の新しい仕事として有望なのは、第3回目で話した災害救助予備隊と宗教団体の従業員ですよ。

大震災のとき、被災地で新興宗教の布教活動はすごかったんです。「ここぞ」とばかりに信者を増やそうとする。大震災から1ヶ月後に石巻の避難所に行ったら、韓国からも宗教団体がいっぱい来ていた。それなのに、仏教の宗教団体だけはほとんどみかけなかった。これでは、ほかの宗教団体に勝てるはずがないよね。

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