瀕死のWOWOWを救った幸之助流「経営のコツ」 最後の愛弟子が語る「3+7」の復活劇とは

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──「3+7」の三つの心構えは「素直」「現場主義」「聞き上手」です。幸之助さんとの最初の“出会い”で体得されたのですね。

「君、ご苦労さんやったな。聞かせてくれ」。じっと目を見て言われる。温かく包み込まれる感じ。

それまでは、社歌や「7精神」を唱和させられて、正直、何やら古くさい会社やな、と思っていた。幸之助さんもクセのあるワンマン経営者かな、と。若気の至りでした。

「聞く」ことから再建が始まった

佐久間昇二(さくま しょうじ)/1931年新潟県生まれ。大阪市立大学大学院経営学研究科修了。1956年松下電器産業(現パナソニック)に入社。1980年代後半、山下俊彦社長(当時)の参謀として構造改革運動「アクション61」に取り組む。同社副社長を経て、1993年に日本衛星放送(現WOWOW)社長就任。現在、ぴあ社外取締役

──佐久間さんは松下電器で副社長を務めた後、WOWOWを任される。WOWOWは「誰がやってもダメ」といわれていました。

新社長としてあいさつしたら、社員が遠巻きにして物珍しそうに僕を見ている。古参社員は壁に寄り掛かっている。オヤオヤと思いましたよ。

WOWOWの累損は776億円。債務超過になっていたのに、危機感がない。給与カットもないし、自分たちは結構楽しくやっている。悪いのは経団連加盟の大企業から派遣されてきた幹部たち、と思っている。

再建の第一歩は「聞く」ことでした。社長に就任する2カ月前から、WOWOWの出資会社や関係機関など200社を回った。それから全国の電器店。電器店は加入者の窓口です。就任後、2カ月かけて電器店を全国行脚し、現場で聞いたことをベースに、方針を二つ決めた。

一つは、率先垂範。僕がマーケティングの先頭に立って加入者を増やそう。経営者はここまでやる、ということを見せて、社員一人ひとりの心を変え、会社の風を変えよう。

もう一つ、「家計簿経営」を呼びかけた。あのな、年収346万円なのに支出が546万円。車を売らにゃあかん。住むマンションも替えにゃあかんよ。奥さんは家計簿で日々決算している。奥さんがやっていることを、なぜやれんのや。

経費を4割カットしました。

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