「英語格差」を乗り越えるための新常識とは? 植えつけられた苦手意識はこう取り除け!
講談社現代新書から『国際共通語としての英語』を刊行して以来、長いこと続編を書けないでいた私が、昨年になって『本物の英語力』を一気に書いた(2016年2月刊)のは、「英語格差」の問題が背中を押したからである。
続編のテーマを巡って、担当の編集者とやりとりを重ねている中で出てきた「英語格差」という言葉が、いきなり私を突き動かしたといってよい。
「英語格差」とは?
「英語格差」とは、英語では“English divide”と言う。もともとは情報格差を意味する“digital divide”から来ている。
digitalとは、digit「数字の桁」に由来する言葉で、analogの反対語であり「データや物理量などを数字で表すこと」を意味する。divideは、動詞では「分ける、隔てる、分裂させる」などの意味だが、ここでは名詞として使われ「隔たり、溝」という意味である。つまり「デジタルディバイド」とは、「パソコンやインターネットなどの情報技術を利用できる人びとや地域と、できない人びとや地域に生起する隔たり、つまり格差」を指す。
米国では1990年代から、この問題が議論されており、1999年7月の商務省報告書“Falling Through the Net: Defining the Digital Divide”では、年収7万5000ドル以上の世帯は、最低所得層の世帯に比べインターネットにアクセスできる比率が20倍以上、パソコン所有率も9倍以上、また最高度の教育を受けた層と最低度の教育を受けた層のアクセス格差は1年間で25%上昇、と指摘されている。これが問題なのは、パソコンやインターネットを使えない環境に暮らしていたり、使う能力がなかったりすると、入手できる情報の量と質に違いが生まれ、それがやがて収入などの経済格差を生み、社会的な格差に繫がるからであり、これは個人の問題から国家的な格差にも広がるからである。
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