アコーディアに経営統合のメリットはない 買収対抗策を鎌田社長に直撃
――今回、株主還元率を90%に引き上げたのは、TOBを仕掛けられたからか。
もともとアコーディアのビジネスは、安定的なキャッシュフローを創出するモデルだ。キャッシュをどう配分するかはつねづね考えていた。
本来は今年6月に新中期経営計画を発表する予定だった。が、プロキシーファイトや太平洋クラブ(ゴルフ場運営中堅。今年1月、東京地裁に民事再生手続き開始を申し立て事実上倒産、アコーディアが支援に名乗りを上げていた)のスポンサー契約もあって、計画策定が遅れた。太平洋クラブは10月3日の民事再生手続き廃止(債権者である会員の反対多数で再生案が否決)によってスポンサー契約は解除されたが、これが入るか入らないかで大きく違ってくるからだ。
今の環境で大きな買収案件はそうは出てこない。既存資産に磨きをかけていく。そのためにゴルフ場のマルチブランド化を進める。コスト削減にも今まで以上に注力することで、既存ゴルフ場の内部成長が見込める。
ゴルフ練習場事業、ショップ事業(への注力)もあるが、基本はゴルフ場事業の内部成長だ。それにより4年間平均で1.4%の収益成長ができると考えている。
株主還元も大きな方針だ。10月末に配当を1600円に引き上げたように、株主還元の増加についてもつねづね考えていた。(大幅引き上げが)たまたまこのタイミングになっただけだ。
高配当は持続できる
――新中計で示した配当金額(今期は1株当たり純利益計画5263円を上回る5500円。来期以降も1株当たり純利益の9割を配当予定)は可能なのか。
今期の5500円は足元から十分に可能だと考えている。キャッシュ創出能力は非常に高い。まずは株主に配当でできるだけ報いていく。
――5500円への配当引き上げは買収防衛策ではない、と。
既定路線の中でも取ってきた政策だ。年間配当1200円(前期実績)を1400円(会社側の今期初計画)、1600円(10月31日発表)に引き上げ、さらに還元を増やす。
――還元を増やしているという方向性はわかるが、従来予想の3倍ですよ。
十分に配当していける。
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