アコーディアに経営統合のメリットはない 買収対抗策を鎌田社長に直撃

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こうした経緯もあり、経営統合の提案とTOBは想定していた。しかし、11月15日のTOB発表は事前に相談もない唐突なもので、遺憾に思っている。

平和、PGM、神田社長とも、統合ありきではないか。まずは統合提案し、株主権行使で彼らの有利になるように動き、それがうまくいかなかったのでTOBとなったのだろう。

「世界最大」でなく「世界最高」目指す

われわれは経営統合の検討を否定していない。だが、それがアコーディアの株主にとって本当に最善なのか。アコーディアは取締役9名のうち5名が社外取締役。監査役は4名全員が社外だ。そうした社外役員による独立委員会が株主の利益のためにTOBについて検討した。

この1週間、取締役会は6回とほぼ毎日開いた。独立委員会も4回開催し、神田氏へのヒアリングも行った。その結果、TOBの受け入れは株主の利益につながらないというのが独立委員会の結論だ。それを受けた取締役会も全会一致で反対した。

――独立委員会がPGMの神田社長にヒアリングしたというが、なぜ質問権を行使しなかったのか。

質問権を行使すると、先方の回答に5営業日、それに対するわれわれの判断にさらに5営業日などと時間がかかってしまう。11月15日にTOBが発表され、日数的にも余裕がない中、できるだけ早い時期に意見表明することが株主の利益になると考えた。遅くなると株主が不安になる。質問権は行使しなかったが、独立委員会がヒアリングしている。

――TOBに反対する理由としてアコーディアは4点挙げた。(1)新中期経営計画により収益性を高められる。(2)8万1000円というTOB価格が低すぎる。(3)少数株主の利益が不当に害される。(4)統合比率が明らかでなくアンフェアな強圧的買収手法である。このうち何がいちばん問題か。

いちばんは株主の利益にかなうかどうかだ。PGMは「世界最大(のゴルフ場運営会社になる)」と言っているが、われわれは世界最高のゴルフ場運営会社を目指す。数を追うのではない、既存施設を中心にブラッシュアップして世界最高を目指す。配当性向も最高水準の90%をメドにする。

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