アコーディアに経営統合のメリットはない 買収対抗策を鎌田社長に直撃

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ライバルのPGMホールディングスにTOB(株式公開買い付け)を仕掛けられたゴルフ場運営最大手のアコーディア・ゴルフ。PGMの目的は、ゴルフ場運営2強である両社の経営統合にある。事前協議のないTOB発表に猛反発したアコーディアは12月3日、TOBに反対の意見表明と同時に、今期の1株当たり配当を従来予定の1600円から5500円に引き上げる大幅増配策を発表した。

が、大幅増配という“買収対抗策”を打ち出したにもかかわらず、アコーディアの株価は足元で7万円台後半と、TOB価格の8万1000円には届いていない。渦中にあるアコーディアの鎌田隆介社長に直撃インタビューした。

PGMによるTOBは想定していた

――今回のTOBの前段にあったのが、今春発覚したアコーディアのコンプライアンス問題。背後には両社の経営統合問題があり、その仕掛け人だったのがPGMの神田有宏社長だったという。神田氏はアコーディア取締役時代(2011年5月辞任、12年1月にPGM社長就任)から、両社の統合論者だったと聞くが。

神田氏はもともと統合論者。統合のメリットは大きいと主張していた。今年1月には(神田氏から)両社の経営統合の正式提案があった。こちらはきっちり対応していくとして、質問状を送ったりヒアリングを行った。が、3月22日に凍結通知を受けた。

その後はご存知のように、アコーディアの竹生道巨前社長による会社資金の不正使用といったコンプライアンス問題が凍結の理由とされた。株主(PGMと同じ平和〈パチンコ・パチスロメーカー大手〉の子会社で、アコーディア大株主でもあるオリンピア)によるコンプライアンス問題の情報提供もあり、当社では社外取締役のみによる特別コンプライアンス委員会を立ち上げた。

コンプライアンス問題では全取締役を調査対象にするという方針に、当時専務だった秋本一郎氏が猛反発した。竹生社長だけを対象にすべき、と。そして、4月17日の秋本氏の会見(竹生前社長のコンプライアンス問題を告発)に至るのだが、その会見後にアコーディア株はストップ安となった。

コンプライアンス問題を徹底追及するという目的で、オリンピアを中心にした「株主委員会」がそうそうたるメンツの取締役候補を独自に擁立。会社側も指名委員会を設置し取締役候補者を立て、プロキシーファイト(委任状争奪戦)となった。結局、6月28~29日と異例の2日間にわたる株主総会で、株主委員会側の提案はすべて退けられた。

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