アコーディアに経営統合のメリットはない 買収対抗策を鎌田社長に直撃

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(12月3日の会見でTOBへの反対を表明する鎌田社長)

――世界最高のゴルフ場運営会社を目指すことは、PGMと一緒になってはできない、と。

はい。PGMは経営統合にシナジーがあると主張しているが、アコーディアとPGMではゴルフ場のポートフォリオが異なる。アコーディアは3大都市圏に70%のゴルフ場があるが、PGMは57%しかない。われわれは3~4年前からゴルフ場の入れ替えを行い、3大都市圏にシフトしてきた。両社が統合すれば、アコーディアにとってみれば資産の劣化につながる。

統合のメリットは乏しい

PGMは世界最大と言っている。われわれは数ではなく、質を追求する。両社が統合するとコース数は300近くなり、価格下落を抑制できるともPGMは言っているが、それはない。関東圏でも都心から1時間半以上かかるような栃木や茨城では価格競争が続いている。これを止めることは不可能だ。両社が統合してもゴルフ場数や入場者数で15%程度のシェアにしかならない。

強いて挙げれば、本社部門の統合によるコスト削減はあるだろうが、その程度だ。PGMにとっては統合のメリットはあるだろうが。

――確かに業績数値ではアコーディアがPGMを上回る。ゴルフ場のポートフォリオでもアコーディアに優位性がある。ならば、TOB価格や統合比率を引き上げる交渉をすればいいのではないか。

われわれはアコーディアには8万1000円以上の価値があると見ている。

――5500円配当が継続可能なら8万1000円でも割安かもしれない。しかし、最近の株価が5万~6万円で推移していたことは事実で、それを放置してきた責任はアコーディアの経営陣にあるのではないか。

コンプライアンス問題などで信頼を損なった責任はある。社長に就任してから信頼回復に努力をしてきた。2度とあのようなコンプライアンス問題を起こさないように不退転の決意で臨んでいる。株価(への対策)については、新中期経営計画で示したように収益性をさらにブラッシュアップする。株主還元率90%という世界最高水準をやっていく。

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