化粧品の口コミサイト、なぜ人気に?

若い女性を惹きつけるアットコスメ

――アットコスメストアは、どのような点が従来の化粧品小売りと違うのでしょうか?

「我々の店舗で売っていない商品も消費者に対して紹介する」というのがひとつのポイントです。アットコスメストアで取り扱いがなくても、アットコスメ上でランクインしている商品については、「これは○○百貨店で売っています」と店頭で示しています。普通の小売りはこんなことやりません。私たちはユーザーが知りたい情報のハブ(軸)でないとダメだと思っているから、店頭にない商品の情報も提供しています。

いろんな化粧品を試していただけるように、店の真ん中には水道を引っ張ってきています。今でこそ同様の店も増えてきているけど、当時は什器の数を減らすなんてバカじゃないかと言われました。それでも、売り上げはしっかりついてきています。

ネットとリアルを融合した店舗づくり

上野の店はこの9月に70坪に拡張して、今度はネットとリアルの融合を意識した新型店になりました。店頭にデジタルサイネージ(電子看板)を設置して、そこでネットと同じ広告を見ることができたり、自分にあった商品を検索できたりできるようになりました。こちらとしても、ユーザーが店頭で何に反応して口コミを書いたか、商品を購入したか、そんな細かな動きがつぶさにわかるようになりました。

――口コミで1位になった商品があちこちの店頭で大きく場を占めるような時代が近いウチに来る?

サイトでユーザーが評価したものが実際の店頭で売れるようになっていくかは、まだわかりません。フェイスブックのファン数の話もそうですが、ファン数が100万あったって、商品製造の初期ロットがごく少数なら売りたくても売れないですよね。メーカーとしても在庫リスクを抱えたくないので、「口コミでランキングが高いものより初期ロットで多く作ったものを売ってこい」と営業マンに発破を掛ける。

これがたとえば、事前販売の期間にフェイスブックで100万人ファンがついたからこれくらい生産しよう、という風になれば違ってくるでしょう。ネットでお客さんの反応を見ながら生産量を決められる世界ができたら、店の考え方も変わってくるはずだと思います。

そこまで至るには時間がかかりそうです。でもそういうやり方を始めている新興メーカーはもう存在するし、今後既存メーカーを駆逐していくかもしれない。現に業界構造は変わりつつある。かつての化粧品業界は一握りの大手が大きなシェアを持っていたけど、それがここ3年くらいで資生堂の国内売り上げは数百億円も落ちて、逆に小さいところがどんどん成長しています。

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