化粧品の口コミサイト、なぜ人気に? 若い女性を惹きつけるアットコスメ
単品の評価を書いてもらうという点はアマゾンも同じです。単品評価なら、たとえば小学館のある本の評価が飛び抜けていいからって、講談社が怒ってきたりはしないですよね。
アットコスメに投稿された口コミは全件チェックしていて、基本的には峻別せずにすべて掲載します。ただ、たとえば商品の使用感には触れず、「店頭のお姉さんがすごく優しくて、いつもよりサンプルをたくさんくれました!」というだけの口コミがあったら、サンプルの件は消します。
というのも、その口コミを見て店頭に行った人がまったく同じサービスを受けられるとは限らないからです。プロダクトと直接関係ない内容については、こちらでメンテナンスはしています。プロダクトそのものに対する口コミは、いいものも悪いものもすべて出す。
――アイスタイルはどういう会社と競合になりますか?
会社として直接のライバルはいません。たとえばアットコスメと似たサイトでは、ヤフーが展開する「ヤフービューティ」がありますが、実はこのシステムはアイスタイルが提供しています。他方、物販をやっているアットコスメストアの競合はコンビニやドラッグストアかもしれないですが、ファミリーマート内で共同の売り場を出していたりもします。いろんな会社とライバル関係にある一方で、別のサービスを介して協力関係も築いている、という感じでしょうか。
まだ3000億円市場の1%しか稼げていない
とはいえ、順風満帆というわけではありません。先程言ったように、広告宣伝費は化粧品業界の中に3000億円ある。アットコスメは今や20~30代女性のうち3人に1人はチェックしているというサイトに育った。にもかかわらず、当社の広告収入は25億円に過ぎません。3000億円ある広告費の、たった1%にも満たない。