化粧品の口コミサイト、なぜ人気に?

若い女性を惹きつけるアットコスメ

――なぜ化粧品というカテゴリーに着目したのでしょうか?

化粧品業界が、最も売上高に占める広告宣伝費の割合が大きいからです。ネットを使って変えられる一番大きなものは、コミュニケーション。「ユーザー、企業の双方にとってコミュニケーションにかかるコストが最も高い業界はどこだろう?」と調べたときに、化粧品業界ということがわかりました。

広告費の絶対額は、1位が食品、2位が化粧品、3位が酒・飲料です。中でも化粧品は、1.4兆円の市場規模に対し約3000億円もの広告費を使っている。化粧品業界にとって日本は成熟市場で、マーケットは縮むばかり。だから化粧品業界各社は高すぎるマーケティングコストの効率化を図って利益水準を守っていきたい思惑がある。

インターネットで口コミサイトを立ち上げれば、マーケティングコストは大幅に下げられます。化粧品業界の場合、仮に広告のシェアを1%取れれば30億円、10%取れたら300億円になる。創業時26歳の若者だった私でも「やってみるか」と思いましたよ(笑)。

アマゾンのようなモデルをイメージした

よくよく見てみると、実は化粧品は書籍と業界構造に共通点が少なくありません。小学館、集英社、講談社という少数の大手出版社がいろんなジャンルの本を出しているように、化粧品業界でも資生堂、カネボウ、コーセーがたくさんのブランドを展開している。

書籍は紙とインクなのに対し、化粧品は水と油が主原料。そこにいろんな付加価値を付けるという点で、両方ともコンテンツビジネスだと言えます。これは面白い、化粧品でもアマゾンみたいなモデルがピッタリ来るんじゃないかと考えました。

――今やアットコスメは総口コミ件数が1000万件を突破。メーカーの広告出稿も増えていますが、成長の過程でブレイクポイントみたいなものはあったのでしょうか?

ここ、というポイントは特になくて、だんだんに伸びてきた感じです。ただ1999年に会社を立ち上げた当時は口コミサイトなんてどこにもなかったですから、どれだけ口で説明しても全然わかってもらえませんでした。なにせ女性のネット使用率が1.2%という時代。メーカーに広告を取りに行っても「ネット使う人は化粧品なんか使わないでしょ」と言われました。一年目の売り上げは、わずか90万円でした。

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