思い切って権限を与えることで、自立的に動くスタッフが店内に何人も生まれるのだという。これは32人のスタッフをまとめていた、下妻店長時代に培ったやり方だという。
まだ27歳の店長には、年上の部下も多い。年上の人に対しても、媚びたり特別な態度は示さないとしながらも、「店長だけれど、わからないことは教えてもらいます」と屈託なく話す。
頻繁な地方転勤も、息抜きに変える
FRグループの店長は長くても2年、早ければ半年で転勤になるなど異動が日常茶飯事。あまりの頻度に、社員には転勤を嫌がる人も少なくはない。
「でも、坂本店長は大変な仕事でも率先して手を挙げる。しかも、どこにでも行きたがるんです」と柚木社長。
本人は「転勤も結構、楽しめますよ」とあっけらかんとしている。
これまで大阪から札幌、仙台、茨城、そして銀座と、全国各地で勤務してきた。「札幌にいるときには新鮮でおいしいものを食べたり、茨城では温泉に行ったり。今回の銀座は……、やっぱりショッピングですかね」。
常に持ち歩いているのは、「フリクション」という文字が消せるペン。手帳やメモはすべてフリクションで記入。訂正があればきれいに消して、書き直すという。手帳やメモ帳が乱雑に書かれ、誤って情報を認識しないようにするための一つの対策だ。
「坂本店長の店は、きれいなんですよ」(先輩社員)と周囲で評判なのは、こういった几帳面な性格が生かされているのかもしれない。
ジーユーはまだ発足して数年足らず。ロールモデルとなる先輩、人物はいるのだろうか。
「将来を考えると、あこがれの人は会社にいたほうがいいのでしょうが、実はまだいないんです。むしろ、何年後かに『坂本さんみたいになりたい』と思ってもらえる、あこがれられる存在になりたい」。
初店長になってから3年半、坂本店長のもとで育った社員も続々増えている。坂本チルドレンが将来、FRグループを牽引する日も近いかもしれない。
(撮影:尾形 文繁)
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