「キムさん、香港でどこに住んだらいいかな? できれば、キムさんが住んでいるのと同じアパートを紹介してほしいんだけど」(投資銀行時代の日本人同僚)
「もし香港に出ていくなら、60インチの最近買ったというテレビくれない? 先月東京オフィスから香港に鞍替えしたんだ」(資産運用会社時代のインド人同僚)
「今度、シンガポールオフィスに移ることになって、新たにアソシエイトクラスの人材を雇いたいのだけど、現地のMBAホルダーを雇ったら日本よりも高いかな?」(コンサルティングファーム時代の同僚)
これらは過去1ヵ月の間に私の日本勤務時代の同僚から寄せられたメールである。
このほかにも、六本木でいつもお姉さんをナンパしていたジョニー・デップ似のヘッジファンドマネジャーの友達や、中国から日本へ留学し、日本の株価低迷とともに東京から香港へ移った中国人アナリストなど、最近、多くの投資銀行・資産運用会社時代の同僚が香港やシンガポールに移ってきている。
投資銀行、コンサルティングファーム、資産運用会社などビジネス界を代表する高給取りの皆さんが大挙して日本を離れ、香港・シンガポールを目指している。これはいったいどういうことなのか。
両方に住んで働いてきた私の経験から、日本のビジネス界・政策へのインプリケーションを探ろう。
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