「男性不況」が、所得格差の犯人?

男女格差の縮小が家計間格差を広げる

前回は、日本を襲っている「男性不況」とは何かについて見てきました。今回は、「男性不況」と所得格差の広がりの関係について解説していきたいと思います。

日本における所得上位20%の世帯(高所得世帯)と下位20%の世帯(低所得世帯)の所得格差は、1980年代から90年代中頃までは、おおむね3.3倍から3.5倍の間で大きく広がることなく、比較的落ち着いて推移していました。

一方、金融システム不安が広がり、「男性不況」が始まったと考えられる98年以降は、一転して世帯間の所得格差は広がるトレンドにあり、現在に至っています。

世帯間の所得格差がこの時期に拡大し始めた理由は、もちろん、「男性不況」の進展と無縁ではありません。むしろ、「男性不況」の結果もたらされた男女間の給料格差の縮小に、家計の所得格差拡大の原因があると考えられるのです。

「えっ、なぜ、女性が社会で働き出し、経済力をつけることが、お金持ちの家庭と、そうではない家庭の差を生み出すことになるの?」

「妻の収入が増えれば、夫の収入が少なくても家計全体では収入が増えるし、夫の収入に余裕がある妻は働かないから、家計間の格差は縮まるんじゃないの?」

感覚的にはこう考えがちですが、現実には男女の給料に差がなくなればなくなるほど、家計の格差が広がってしまうのです。

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