結婚できないのは、「男性不況」が原因? 低所得男性が増えても、減らない「専業主婦」願望

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前々回は「男性不況」の概説、前回は「男性不況」と家計間所得格差の関係について見てきました。今回は、「男性不況」が「結婚・出産」に及ぼしている影響について、考えていこうと思います。

実は専業主婦になりたいニッポン女子だが…

昨今、ようやく女性が本来持っていた能力をビジネスにも発揮できる環境が整いつつあります。この状況はバリバリのキャリアを志向する女性たちにとっては、長年待ち望んでいたことがようやく実現するという意味で、喜ばしい出来事だと思います。

しかし、日本では、まだまだ専業主婦を志向する女性の数は少なくありません。

資格講座の通信教育を行っている(株)ユーキャンがPRエージェンシーの(株)アイシェアと共同で行った調査では、未婚女性の半数以上が、出産後は「専業主婦になりたい」と回答しています。

特に20代の「専業主婦」希望は58.5%と高く、若い世代ほど出産後、専業主婦になりたいというあこがれを持っていることが浮き彫りになっています。

一方、パートナーとなるべき男性サイドで、結婚相手に「専業主婦になってほしい」と思っているのは、わずか37%にとどまり、残りの63%は「結婚後も働いてほしい」と考えています。

なお、「結婚後も働いてほしい」と考えている理由のトップは、「自分だけの収入では経済的に厳しいから」(41.9%)と、世知辛い世の中を反映する理由が挙げられています。

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「経済力」を重視する割合に大きな違いが見られる。

国立社会保障・人口問題研究所が実施している、「結婚と出産に関する全国調査」の中で、結婚する意思のある独身男女を対象に、「結婚相手に求める条件」を聞いた結果では、女性の42%が相手の男性の「経済力」を重視し、「考慮する」までを含めると93.9%と、ほぼ全員が結婚相手となる男性の稼ぎを重視していることが明らかにされています。

一方、男性は相手の女性の「経済力」を重視する人が4%、考慮するまでを含めても38.7%と、その差は歴然です。

独身女性の半数以上が「出産後専業主婦になりたいと思っている」という調査の結果と合わせて考えると、日本ではいまだ男性が女性を養うのを当然とする風潮が残っており、また、養ってもらいたいと思っている女性がまだまだたくさんいるという事実を裏付けるものだと言っていいでしょう。

ひところはやっていた婚活パーティでは、弁護士や医師など、一般的に高給取りだと考えられている職種の男性との出会いを求める女性が多く、こういう職業に就いている男性を優遇する婚活会社もあると聞いたことがあります。

このように、「経済力」のある独身男性は引く手あまたですが、一方で、「男性不況」のさなか、急増している低所得男性にとっては、「経済力」のなさが結婚の足かせになってしまっているのが実態です。

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