ケース3:低所得男性の出現でさらに格差は広がる
最後に、さらに5人、人員を増やすケースを見てみましょう。
ケース2で女性従業員を5人雇ったことで男女のバランスが崩れたこともあり、今回、この会社では男性を5人採用することにしました。
しかし、すでにいる男性陣並みの給料を払う余裕がないので、ケース1のころからいた女性たちとまったく同じ条件で男性を雇うことにしました。雇った5人に、一人ひとり10万円ずつ給料の差をつけるのは、先のケースと同じです。
これは、「低所得男性」が現れたことを示しています。
今回の人員増の結果で、同じ給料をもらう男性従業員と女性従業員が一人ずつ在籍することになりましたので、このケースでは男女間の給料格差はゼロ。まったく対等です。
このケースでも、最も給料の多いカップルと少ないカップルでは、どれだけの差が出るのか計算してみましょう。
結婚後、最も給料が多くなる組み合わせは、男Eさん・女Jさんの組み合わせです。2人とも、100万円ずつもらっているので、この家計の給料は200万円にもなります。
一方、最も給料の少ない男Fさんと女Aさんが結婚すると、2人の給料は合計しても20万円にしかなりません。最も給料が多くなるカップルに比べて、実に10分の1の給料です。
ということは、このケースでは、結婚後の家計間の所得格差が最大10倍にまで開く可能性があるということになるのです。