寿司屋やバーが持つ価値を理解していますか このモデルはすべての仕事に当てはまる

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このモデル、実は、全ての仕事について言えることだと思います。中年起業を支援するメディア「42/54」がイメージする小規模で快適なビジネスと生活もまさにこれ。自分の稼ぎのうちのいくばくかを各々が異なる領域で商売を営んでいるあまり遠くない関係の人たちとシェアすることで、その関係者全体にお金が回っていく、というようなイメージです。

一部の人が持ってくる案件にその他大勢がぶら下がっている、という状態(会社組織ではこの性格が強い場合が多い)よりも、はるかに柔軟でロバスト(強靭)なグループとなる可能性があります。

「適度なオープン性」

 これを実現するためのもう一つのポイントが、「適度なオープン性」です。誰にでも門戸は開かれているけれど、ちょっとした敷居がある、といった感じです。

バーや寿司屋の例に戻りましょう。この店はいいな、また来たいな、と思うのはなぜでしょうか?

それは、提供される商品やサービス、店主の人柄などももちろんなのですが、「客層」というものが大きな役割を果たしています。基本ジェントルな人が集まっている。偉そうにする声のデカいオジサンがいない、悪酔いする輩がいない、そんな客がいたとしても店主がそれとなく抑える、というようなことですね。これができていない店は、たとえ美味いモノがあったとしても、「あのオジサンの我が物顔は見たくないなぁ……」と足が遠のいてしまいます。

いいバーや寿司屋では、誰でも店に入れるようにしてあっても、実際には店主が客を選んでいるわけです。いろいろな観点から店の趣旨に賛同してもらえる人だけを何回かかけて篩(ふるい)にかけていきます。その積み重ねが快適な店という「場」につながります。

42/54が目指しているビジネス集団も、これととてもよく似たところがあります。ジェントルでお互いに信頼できる、お互いにリスペクトできる、誰でもジョインできるけれど身勝手なことは許されない、という境界や規範はあいまいだけれど信頼感のあるネットワークです。

そんなネットワークの存在を意識しながら、そんなに羽振りは良くないけれど、できる範囲で楽しく生きていけたら、これはとても有難いことでないかと思います。

本稿はポスト資本主義時代の起業術を伝えるメディア『42/54』の提供記事です。

(文: 田邊俊雅)

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