また、前出「仕事と育児を両立できなかった理由」アンケート調査結果で第2位にランクした「職場に両立を支援する雰囲気がなかった」問題も、深刻だ。
今春、求人広告のアイデムがまとめた女性労働力に関する調査が、ワーキングマザーたちの間で波紋を呼んだ。調査に回答した企業の実に25%が「女性は妊娠したら育児休業を取得せず、退職してほしい」と回答したというのだ。
半径5メートルの"敵"
この問題は、支援制度の有名無実化や、運用の失敗だけが要因ではない。上司や同僚の「無理解」が、働く母の精神的負担になる。
女性専門の人材派遣会社・ジョヤンテ代表取締役の川崎貴子氏は、「ワーキングマザーの退職理由は「"半径5メートル問題"に尽きる」と言う。つまり、多くのワーキングマザーが、自分の席の半径5メートル以内にいる上司や同僚が発する、心ない一言やいじめ的言動に苦しめられているというのだ。
実際、「『まだお子さんが小さいのに働くなんて、子どもがかわいそう』だとか、『子どもかわいくないの?』『3歳までは母親が育てるべき』なんて平気で言う人がいまだにいる」(メーカー・36歳)と嘆くワーキングマザーは多い。
かといって、「褒め殺し」パターンも中々に残酷だ。
「『両立してるなんてエライね、立派だね』と言ってくる独身の同僚が、陰でさんざん悪口を言っていた」(IT・32歳)
「『私もいつか産休を取りたいので両立の秘訣を教えてください』なんて近寄ってきた後輩に秘訣を教えたら、『あの人、得意げにこんなこと言ってました』なんて言いふらされ、社内評価が思いきり下がった」(メーカー・36歳)なんて事例もある。
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