産めよ育てよ、働けよ!? ワーキングマザーバブルがやってきた

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"飼い殺し"か長時間労働の二者択一

「勤務時間が合わない」「職場に両立支援の雰囲気がない」「自分の体力がもたない」――。出産した女性が職場を去る"引き金"となる理由は山ほどある(下グラフを参照)。

認知度が高まったかに思われる「短時間勤務」も、実は大して普及していない。

2009年の育児・介護休業法の改正により、従業員101人以上の企業は、3歳未満の子を育てる労働者が希望すれば、原則一日6時間の短時間勤務が認められることになった。

だが、現実には、短時間勤務制度の企業の導入率は54.3%(2010年10月 厚生労働省 22年度雇用均等基本調査)しかない。

また、仮に「時短制度」がある会社に勤めていたとしても、実際に制度を利用できた人はたったの35.5%。

第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部上席主任研究員の的場康子氏は、「仕事内容が短時間勤務に不向き、収入が減るなどの理由から、時短の利用をあきらめる女性は多い」と分析する。

たとえ運よく時短の制度を利用できたとしても、次にワーキングマザーを待ち受けるのは「飼い殺し」との戦いだ。

「働く母の最大の敵はなんといっても、上司や職場の長時間労働主義。時短勤務を選んだ社員は、使いづらいと、あからさまにサポート的な仕事に追いやられる」(食品・35歳)

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