銀座の巨大な新名所はいかにして生まれたか 9年がかりで完成した東急プラザ銀座の全貌
「14年ごろから本格的にテナント募集を始めましたが、グローバルブランドにとって銀座は世界戦略における要所であり、出店場所の選定には並々ならぬこだわりがあります。すでにこのエリアに店舗を構えているところも多く、難しい面はありました。伝統と革新をキーワードにこだわったことでも、少し時間がかかりました」(小玉さん)
3~5階の一部には東急百貨店のセレクトストア「HINKA RINKA」、7階には東急ハンズの「HANDS EXPO」が参戦。ともに新業態での出店であり、東急不動産の銀座進出を“オール東急”でバックアップしていく構えだ。
8~9階にオープンする都内最大規模の市中空港型免税店「ロッテ免税店 銀座店」にも注目が集まっている。市中空港型免税店とは関税、消費税、酒税、タバコ税が免税となり、購入した商品を空港で受け取る方式。東京オリンピックに向けて増え続ける訪日外国人たちの新たな名所になるのは間違いない。
「海外に出かける日本人も利用できます。インバウンドに特化したのではなく、さまざまな可能性を探っていくなかで、出てきたアイデアがこの免税店の誘致だったのです」(瀬志本さん)
17年に、松坂屋銀座店跡地を含む再開発地区に森ビル、J.フロントリテイリングなどが手がける商業施設やオフィスなどで構成される大規模複合施設が誕生し、翌18年には三井不動産による日比谷再開発も完成する。日比谷ではTOHOシネマズが都心最大級のシネマコンプレックスを開業させる予定で、エンターテインメントを中心に据えた街づくりが進んでいる。刻一刻と変化する 周辺エリアのなかで、東急プラザ銀座がこのふたつの再開発地区を結ぶ中間点に位置しているのは偶然ではない。
人の流れを変える
「私たちはここを銀座の外れではなく西の玄関口として捉え、そのポテンシャルに期待しています。松坂屋跡地に完成する複合施設までは、みゆき通りを通って徒歩3分。観光バスの乗降スペースもできるので、そこを起点に回遊が始まれば一気に人の流れが変わる可能性があります」(小玉さん)