銀座の巨大な新名所はいかにして生まれたか 9年がかりで完成した東急プラザ銀座の全貌

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一方、屋上のオープンテラス「KIRIKOTERRACE」には豊かな緑を配した「GREEN SIDE」と、広い水盤が特徴の「WATER SIDE」のふたつのゾーンを設置。気軽に立ち寄れる憩いの場として幅広い層にアピールしていきたい考えだ。

枝垂れ桜

晴海通りに面した斜めになったガラス部分が吹き抜けのパブリックスペース。また交差点側には3階へ直接アクセス可能なエスカレーターを設置

「GREEN SIDには日本の四季を表現するために枝垂れ桜を植えました。いまはモノを売るだけでは難しい時代。足を運ぶだけの価値がなければ、なかなか人は来てくれません。

ここを銀座に訪れた人が必ず行きたくなるような場にしたい。また、ファッションショーや各種パーティ、屋外映画上映会など、さまざまなイベントで利用できる貸スペースとしての運用も考えています」

そう語るのは、小玉さんと同じ銀座プロジェクト推進部の瀬志本藍さん。両スペースとも、江戸切子モチーフのガラス越しに銀座の街の景色が見渡せるのが武器だ。06年に改正された「銀座ルール」の最高高さ建物56メートル+屋上工作物10メートルとなるため、その眺望には大いに期待できる。

さらに、隣接する数寄屋橋公園を再整備し、“銀ぶら”途中の休憩はもちろん、四季折々の緑のなかでテイクアウトのフードやドリンクなどを楽しんでもらおう、という取り組みもある。

ブランド・ストリート

左は東急不動産 都市事業ユニット 都市事業本部 銀座プロジェクト推進部係長の瀬志本藍さん。右はグループリーダーの小玉潤さん。今回は東急プラザ銀座のテナント誘致などで中心的な役割を担ったおふたりに話をうかがった

フラッグシップストアのフロアと位置付ける1〜2階には、伝統を受け継ぎながら、革新的なスタイルを提案するブランドのグローバル旗艦店が集結。

バリーやキートン、エンポリオアルマーニ、グローブ・トロッターなどが軒を連ね、新たなブランド・ストリートを形成する。ただ、これだけのブランドを呼び込むには苦労があったようだ。

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