ただし、注意点もある。大手通信事業者とは異なり、設定は自動でできない。使い始めるためには、各事業者が用意している、「APN構成プロファイル」をインストールする必要があり、初期設定に少々手間がかかる。プロファイルをインストールするにはネットに接続する必要があるので、Wi-Fi環境が必須だ。
また、格安SIMは大手通信事業者3社から帯域を借りているため、帯域が足りなくなると、速度が大きく低下することがある。特に、ビジネスマンの利用が多い、昼の12時から1時までの混雑が顕著で、MVNOによってはウェブサイトの読み込みですら遅いと感じるレベルになってしまう。こうしたデメリットが生じることも踏まえて、事業者を選ぶようにしたい。
細かい点だが、格安SIMのほとんどが、海外渡航時のデータローミングに対応していない。そのため、海外で通信する際は、Wi-Fiルーターをレンタルしたり、現地でプリペイドSIMを買ったりする必要が生じる。
大手3社に比べると、手厚いサポートもない。何か問題が起きたら、ウェブサイトのFAQ(よくある質問)を見たり、メールや電話でサポートに問い合わせができる程度のスキルは必要だ。ただし、こうしたサービスが省略されているからこそ、料金が安いということも覚えておこう。
2.バックグラウンド通信を止めて通信容量を節約
スマホは、あらかじめ契約していたデータ容量を超えると、通信速度に制限がかかってしまう。ドコモ、ソフトバンク、KDDIの場合はこの速度制限を解除するために、1GB当たり1080円課金される。これは大手通信事業者の例だが、格安SIMでも容量を超えると追加料金がかかるのは同じだ。
「今日はあまり使っていないから大丈夫」と思うのは、大間違い。iPhoneに限らず、スマホは、自動的に「バックグラウンド」で通信する(アプリを閉じても背後でアプリが動作していること)仕組みになっているからだ。
この自動通信を抑止すれば、気づかないうちにデータ容量を消費してしまう心配がなくなる。設定は、「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」で行う。一括でオフにすることもできれば、アプリごとに指定して止めることも可能だ。たとえばLINEやフェイスブックのMessengerのように、音声やメッセージの着信があるサービスはオンのままにしておいたほうがいいだろう(ただし、更新オフの設定でも通知は届く)。
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