「離婚したのは東京に逃げたときだから、15年前ですよ。もう、ずいぶん前ですね。酷過ぎる旦那だったけど、親の責任として下の子が20歳になるまで我慢しようと決めたんです。結婚生活は嫌なことしかなくて、旦那は外見もすごいデブで、なにもかも最低の人間だった。ギャンブルやめられなくて、人の財布からお金を盗っていく人だったから。お金盗られるし、暴力ふるわれるし。だから下の子が20歳になった15年前、息子の誕生日の次の日、仙台の家から黙って東京に出て来た」
高校を卒業して、19歳からホステス。元旦那は土建系の会社経営者で客だった。しつこく口説かれて、結婚している。結婚するまでは気前のいい優しい男だったが、一緒に暮らすようになってすぐに暴力をふるうようになった。
ギャンブルに狂った経営者のDV夫
「DVは凄まじくて毎日ですね。一度だけ子供の前でDVしたけど、そのとき子供に『お父さんの鬼』って言われて、それから子供がいるときは暴力ふるわなくなった。元々、そういう人間なんでしょうね。
もう40年くらい前だけど、元旦那は結婚したとき土建系の有限会社をやっていた。経営者ですね。代表取締役で、使っている従業員の人たちがいて、新婚の頃は自分も現場仕事に出ていたけど、そのうちギャンブルとか賭場に出入りしだした。仕事に行かないどころか、家にも帰って来なくなった。従業員の人たちも、社長の賭博狂いに嫌気が差してみんな辞めちゃって。経営がおかしくなって、不渡り2度だして倒産させているんです。それから借金取りとか、自宅に毎日、毎日来る。借金取りが家に来ても、本人はいつも家にはいないから、私が脅されるわけ。借金取りの人に『見ていてあまりにもかわいそうだから、離婚した方がいい』って言われて。そうすれば楽になるって。子供はまだ小学生だし、離婚は無理だと思って、私が昼夜働いて借金返済した」
借金取りに対して、なんの規制もない時代である。昼夜問わずに自宅にやってきて、恫喝と脅迫。ダンプやユンボ、自宅を売却しても全然返済額には達することはなく、数千万円の借金が残った。
「玄関に“金返せ、ドロボー”とか貼り紙を貼られたり。すごかった。借金は、銀行は当然、いろんなところ。サラ金とか闇金にも手をだして。本人はお金を借りても返済するんじゃなくて、賭場に持っていく。本人は借金を返さない。私が働いてちょこちょこ返した。結局、何千万円ってあったから、働いて返せる金額じゃなかったけど」
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