企業のアプリは不要?Facebookの強烈戦略 「メッセンジャー」が、すべての窓口になる

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●エコシステム
フェイスブック本体が持つ、友人関係、企業のビジネスを内包するコミュニティ
●プロダクト
フェイスブック本体の機能としてのビデオ、検索、グループと、外部アプリであるメッセンジャー、WhatsApp、インスタグラム
●テクノロジー
世界中の人々にネット接続を提供するコネクティビティ、人工知能、仮想現実・拡張現実

 

フェイスブックのエコシステムにいる人々が、テクノロジーのサポートを受けながら、プロダクトを活用する――。そんな姿をフェイスブックは描いている。テクノロジーの発展こそがフェイスブックユーザーの体験を左右し、進化させる原動力になっているという。

メッセンジャーは世界で9億人が使用

本題の「メッセンジャー」に戻ろう。

フェイスブックが「Messenger Platform」を発表したのは昨年のF8。ここで絵文字やアニメーション、外部アプリで作成したコンテンツなどをメッセージに簡単に挿入できる仕組みを開発者に公開した。それから1年を経た現在、「メッセンジャー」の月間ユーザー数は9億人に上り、iOSアプリとしては「フェイスブック」に次いで多く利用されているアプリに成長した。

フェイスブックはこの膨大なユーザー数を味方に、対話インターフェースでのビジネスサービス提供に取り組もうとしている。5000万件に上るフェイスブックページが、メッセンジャー上でeコマース、サポート、情報提供などのサービスを展開するようになれば、人々のモバイル活用の動向にも影響を与えかねない、大きな変動が起きることになる。

商品を探すところから決済までをメッセンジャーで行える

フェイスブックの思惑どおりにいくならば、多くの企業アプリがスマホのホーム画面から消え、ユーザーは広告にまみれたウェブブラウザーを開くことなしに、よりフレンドリーな「会話」によって、様々なニーズや問題を解決するだろう。

もちろん、今のメッセンジャーであっても、フェイスブックページを提供する企業とユーザーはメッセージのやりとりをできる。今回のイベントで新たに披露したのは、ユーザーと企業との会話のコミュニケーションを自動化することで様々なサービスを提供する「Bots for Messenger」だ。

次ページ「Bots for Messenger」とは?
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