40項目で評価した人材活用はSCSK(総合123位)と第一生命保険がトップだった。
SCSKは2年連続トップ。同社の有休取得率は2011年度65.0%から2014年度97.8%まで上昇した。長時間残業者のフォローやストレス診断など働きやすい環境整備を進めている。資格取得の奨励、階層別でのキャリアデザイン研修、社内公募・企業内ベンチャー制度といった社員の能力アップにも積極的だ。
同じくトップの第一生命保険は女性管理職比率23.3%、同部長比率5.5%、男性の育児休業取得率などが高かった。
3位は花王、ソニーの2社(98.7点)。5位は日産自動車、中外製薬、大和証券グループ本社、損保ジャパン日本興亜ホールディングス、東京海上ホールディングスの5社(97.5点)となった。
環境部門では日産とダイキンがトップ
26項目で評価した環境は日産自動車(同11位)とダイキン工業(同13位)がトップ。日産は国内の販売会社でISO14001認証をベースにした独自の環境マネジメントシステム「日産グリーンショップ」制度を導入。製造部門だけでなく販売部門も含めた継続的な環境マネジメントシステムの維持に努めている。CO2排出量削減にも積極的で、「2016年度までに企業活動からの排出量を2005年度比でグローバルでの販売台数当たり20%削減」という目標達成に向けて取り組んでいる。
ダイキンは2020年にグループ全体の温室効果ガスを2005年度比で4分の1に削減することを目指す。また、空調設備の省エネ、節電ソリューションビジネスなどの環境ビジネスも積極的に進めている。
3位はブリヂストン、リコー、キヤノン、ホンダの4社(98.6点)。製造業が上位を占めるなか、13位に三井物産(95.8点)が総合商社としてランクインした。
企業統治+社会性は「企業統治37項目」と「社会性27項目」の合計得点でランキング。トップはリコー(同8位)。グループ経営における重要なリスク項目は毎年見直しを行い内部統制委員会での承認を得るだけでなく、各リスクに対してリスク主管部門を定める先進的な仕組みを導入している。
他にも外部有識者を招いたステークホルダーダイアログを毎年開催し、統合報告書のレビューを実施。翌年度の作成に活用するなど外部との対話を重視している。
2位は富士フイルムホールディングス、アサヒグループホールディングス、パナソニック、帝人の4社(98.8点)が続く。
財務部門は3月に発表した「新・企業力ランキング」と同じデータを使用。収益性、安全性、規模の3分野、合計15項目での評価だ。トップはNTTドコモ(287.7点)。2位キヤノン(287.6点)、3位信越化学工業(286.6点)と続く。
総合ランキング10位のうち8社(富士ゼロックスを含む)が、財務部門の14位までに入っている。財務力とCSRの両面を兼ね備える企業と言えそうだ。
コーポレートガバナンス・コードなどで非財務情報の開示は広がりを見せ、CSR情報を中心としたESG(環境・社会・ガバナンス)と財務の両面から企業を見る動きはさらに進みつつある。
東洋経済は2005年からCSR調査を開始。翌2006年からはいち早く財務面とCSR面をあわせた総合評価に取り組んできた。ランキングは今回が10回目の節目となるが、ここはひとつの通過点としてさらに進化を続けていきたい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら