蓮舫:ここで大切なことは、働く人々の給与水準です。その地域の経済や物価に応じた給与があれば、十分豊かさを享受できます。みんなが東京にはなれないし、なる必要もない。そんな生き方ができるように、仕組みを変えて行かねばなりません。つぶれず、持続可能な大きさがあり人生をまっとうするうえで、最低限の保障がある社会をつくる。これによって、経済成長は自然とついてきます。安倍政権のように、公共事業で雇用を作っても、それは一時しのぎに過ぎません。
「トリクルダウン」は絶対に無理
有馬:地域を主体とした経済再生論はよくわかります。しかし、国の財源は限られていますし、借金(国債、借入金、政府短期証券の合計)は2015年末で1044兆円にものぼります。アベノミクスは法人税を減税し、円安政策で輸出系の大企業を応援していますが、民進党も大企業に頼りますか。それとも、例えば法人税を増税して、大企業から税金を多めにとって行きますか。
蓮舫:大企業には大企業の役割があります。しかし、大企業や富裕層に恩恵を与え、それが隅々まで行き届き、税収を増やすという「トリクルダウン論」の実現は絶対に無理です。日本の企業の99%は中小企業なのですから、中小企業のある、それぞれの地域で何ができるか。それにつきます。
例えば、香川・小豆島のオリーブ産業などもそうですが、地域で新しいスモールビジネスが起こり、人々が大きくしようとする自助努力を、役所が立ち上がって、積極的にサポートする。やみくもに補助金を渡すのではありません。それで経済はつながっていきます。
有馬:蓮舫さんは行政の大臣(行政刷新担当の内閣府特命担当大臣、2010年6月~2011年6月、同年9月~2012年1月)の経験もあります。では、地域を活性化させるために、国が予算面や制度の変更などで支援できることはありますか。またこの点に関して、今の自民党は何が間違っていますか。
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