「安倍政権の問題点」、蓮舫氏がすべて語った 「安倍首相はSNS世代を理解していない」

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蓮舫:国の一般会計予算(2015年度の一般会計予算、財務省HP)を見ればわかる通り、国の歳出は96.3兆円で、そのうち社会保障(31.5兆円)、国債費(23.4兆円)地方交付税(15.5兆円)の3項目で7割強を占めます。

政府の裁量で決められる「政策的経費」は一般に考えられているよりも少ない。安倍政権での公共事業は約6兆円ですが、民主党時代は約4.6兆円。公共事業など、いくつかの政策では、ブレーキを踏み過ぎた部分がありました。

逆に安倍政権は、一時的に収入が増えているだけなのに、アクセルをふかし過ぎているし、従来型のバラマキ政治を依然として行っています。

2020年度までのプライマリーバランス(基礎的財政収支、公債関連の歳入・歳出を除いたもの)の黒字化を国際公約に掲げておきながら、低所得者政策と称して、むしろ富裕層に恩恵が厚い軽減税率(約1兆円)を導入したり、65歳以上の低所得者約1100万人に3万円の「臨時福祉給付金」(約3300億円)を交付するようなバラマキ政策を平気でやる。昨年10月に子供の貧困対策のために寄付を募る「子供の未来応援基金」だって、広報活動などに2億円の税金を使って、集まった寄付金は10分の1の約2000万円(2016年2月現在)です。民主党がブレーキを踏みすぎたこともあり、今度は「逆のバネ」が働きすぎているんです。

ゆるやかな財政改革という「第3の道」しかない

有馬:その視点で見ると、この3月には今後10年間の国の住宅政策の指針となる「住生活基本計画」が閣議決定されましたが、これも問題が多そうです。中古住宅の流通促進や空き家対策などを進めるのはいいのですが、目標は総花的。ただでさえ、いま空き家は約820万戸あって、そのうち賃貸用以外など、誰も住んでいない空き家が320万もある。

それなのに、今度の基本計画を見ると、むしろ中古住宅を建て替え、また新しい住宅を供給していくことに力点が置かれているように見える。建て替えをどんどん進めれば、その時は建設需要が盛り上がって、景気が一時的に良くなるかもしれませんが、結局はまた、将来の空き家が増えるだけかもしれません。

蓮舫:もちろん逆の意味で言っているのですが、自民党の「素晴らしい」ところは、「自転車操業的な経済の回し方」をすることです(笑)。一時的にはよくなるかもしれませんが、そうした自転車操業でこれからの日本経済を持続的に運営することは、もう不可能です。

では、どうするか。奇策はないんです。民主党時代のように支出を無理に削るのもダメだし、今の政権のように、税収を無理に上げてじゃぶじゃぶにしてばらまいてもダメ。ゆるやかな財政改革という「第3の道」しかないんです。つまり、さきほども触れましたが、子育てや介護関連に携わっている方の給与や、勤務医の診療報酬を改善したりするとか、地道に人に投資することにつきます。これで税収は緩やかに増えて行きます。

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