「安倍政権の問題点」、蓮舫氏がすべて語った 「安倍首相はSNS世代を理解していない」

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「今、自民党などで権力を持っている人たちは『3丁目の夕日』を引きずりすぎている」

蓮舫:「過去の残像」を断ち切ることだと思います。今、自民党などで権力を持っている人たちは『三丁目の夕日』(西岸良平氏の漫画。昭和30年代を描写。同氏の原作を基に2005年から12年にかけ、シリーズで3作が映画化された。安倍首相が好む作品)を引きずりすぎています。

あの時代は、高度成長期で物を作れば売れた時代です。労働再分配も容易だったし、終身雇用の人生設計が描けました。しかし、残念ながらそんな世の中は絶対にやってこない。前の民主党政権では道半ばでしたが、どんな国のサイズでどんな国を目指すのか、もう一回真剣に考えないといけません。

もちろん、「経済成長しないでいい」などというつもりはありません。しかし、1人あたりGDPを大きくするというならわかりますが、労働人口が減っていく中では、いかに労働生産性を高めたとしても、年5%成長などというのは無理です。その中で、東京や大都市だけが潤うのではなく、さまざまな経済活動で生まれた果実をどう分配し、地域を豊かにして、人々が生まれた田舎で一生を全うできるような社会をつくっていけるかが重要です。

公共事業による雇用は、一時しのぎに過ぎない

有馬:自民党は、高度成長時代に整備したインフラが老朽化したという名目もうまく利用しながら、公共事業を再び強化しているという指摘もあります。しかし山を削り、谷を埋め、橋をガンガンかけるような時代はとっくに終わりました。自民党の成長戦略と言っても、結局それなりに評価できるのは観光など一部に限られます。とはいえ、一方で、民進党だって、経済政策はないに等しいともいわれますよね。

蓮舫:「アベノミクス」は世の中の空気を変え、少なくとも当初は明るい気分にさせた、ということは、ある意味では「すごい力」だったかもしれません。それは学習しました。しかし、成長戦略はないに等しかった。実体経済もよくなったわけでもない。株価がピークをつけ、為替も円高に振れることによって、アベノミクスは終わりました。

民進党に関して言えば、高度成長時代の夢をもう一度追うような『三丁目の夕日』型の経済政策は、ないかもしれません。しかしわれわれは、民主党時代、社会保障に成長の軸足を置き、さらに農林水産業の「6次化」推進や、地方交付税の一括交付金支給などの改革を行った結果、実質GDPで年平均1.7%の成長を実現できました。

アベノミクスの限界を見るにつけ、一方で意を強くしたのは、介護・医療・子育てなどの関連産業をしっかり支援すれば、雇用や消費の好循環が生まれ、地域はつぶれないということです。

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