園芸・ペット・LED照明 今、復興フロントランナー--大山健太郎 アイリスオーヤマ社長《上》

大山にとって救いがもう一つ。

「本社が仙台でよかった。仮に東京本社だったら、どう動けたかわからない。社員もみな主体的に動いてくれた。おかげさまで地元密着の社風、アイリスオーヤマの企業理念が浸透している。それを示してくれた」

映画をあきらめ家業に味方にも敵にもなる問屋

2011年度、大震災にもかかわらず、アイリスオーヤマの単体売り上げは初めて1000億円を突破した。グループ売り上げ2350億円。不思議な会社である。収納ケースや園芸用品など、実に1万4000アイテムの製品を生産し、「選択と集中」の対極を行きながら、10%近くの営業利益率をキープしている。

1980年代に園芸ブーム、ペットブームを主導し、今LED照明で世界トップクラス。財務的には実質無借金。すべては、19歳の「少年社長」の誕生から始まった。

高校3年生のとき、がんの手術を受けた父親が余命1年もないことを知らされた。8人兄弟の長男。家業のプラスチック成形工場を閉じれば従業員ともども一家が路頭に迷う。夢は映画監督だった。重厚な欧州映画にのめり込み、15分の映画も制作した。が、「これも天の定めや」。

しかし、営業力も技術力も、経営力もない。お客さんのところへ行って、にっこり笑い、「何でもやります」。お客さんは応援してくれるが、世の中甘くない。回ってくるのは儲からない仕事ばかり。朝8時から夜8時まで目いっぱい働いても食えない。従業員が帰った後、深夜2時、3時まで一人で機械を動かした。 

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