VAIOの延長がソニーのモバイルになる--ソニー・鈴木国正モバイル担当執行役《キーマンを直撃》
ただし、(2012年に完全子会社化した)ソニー・エリクソンモバイルコミュニケーションズを買収する前と後では、タブレットの見方を変えています。この1~2年で勉強したのは、タブレットは単独で考える商品ではないということ。PC、スマートフォン含めた3製品でどういう商品作りをするかが大事になっています。
中にはアマゾンの「キンドルファイア」のような風穴を開けた商品もあるが、全体的に見ると特殊な例。我々の目標設定は、タブレット、スマホ、PCの3スクリーンで2014年度に売上高1.8兆円を達成することです。
--マイクロソフトの「サーフェイス」やグーグルの「ネクサス7」など、OS陣営も端末ビジネスに参入してきました。OSから端末まで一気通貫の新しい「垂直統合モデル」が出て来る中、ソニーは端末メーカーとしてどう差別化していきますか。
「垂直統合」「水平分業」といいいますが、ソニーは両方の組み合わせをやっています。商品に関しては、デジタルイメージングやゲーム、オーディオがソニーの強みで、これら商品をスマホやタブレットに組み込むことがあってもいいし、そこに力を入れていく。
■デザインの差別化は可能
言うまでもなくデザインに対する期待も大きく、特にモバイル分野に関してはソニーに一日の長がある。デザインで差別化することはまだ可能な商品で、商品単体としての強さを徹底的に出していく。今でも負けているとは思っていないが、マーケティングや販売数量においては、ソニー商品が増えていないとうことはあるかもしれない。
--かつてソニーの「VAIO(バイオ)」は、さまざまな機能を盛り込むことでパソコンの付加価値化に成功しました。タブレットも同じイメージですか?
そうですね。それ以上に、スマホにおけるアプリケーションはもっと幅広い。持ち運ぶことがベースになるので、バイオの延長線上が、さらにモバイルになるという考え方になる。