VAIOの延長がソニーのモバイルになる--ソニー・鈴木国正モバイル担当執行役《キーマンを直撃》
スマートフォンやタブレットなど、モバイル端末市場が一段と混戦模様を呈している。泥沼の訴訟合戦を繰り広げる米アップルと韓国サムスン電子の2大巨頭がスマホ市場を牛耳り、タブレットでは米マイクロソフトや米グーグルといったOS陣営も端末市場に乗り込んできた。
一方、ライバルが多様化する中で、ソニーはいまひとつ存在感を発揮できていないのが実情だ。9月には新型タブレット「Xperia Tablet S」を投入。巻き返しを図るが勝算はいかに--。モバイル製品を統括し、ソニーモバイルコミュニケーションズ社長兼CEOも務めるソニーの鈴木国正執行役EVP(=写真=)に話を聞いた。
--昨年発売したソニー初のタブレット端末「Sony Tablet」は在庫が貯まって販売が伸び悩みました。当初のイメージと、どこが違ったのですか?
当時の販売目標は、オペレーターや流通サイドとの話し合いに基づいてつくりました。結果として、到達しなかったのは事実。もくろみと違った点は、価格が速いスピードで落ちたことです。アップルやサムスンも新製品を出して、旧製品が値崩れしたことが大きい。
もう1つの要因としては、当時のタブレットは年間販売台数が3000万~4000万台という新しい市場で、業界全体で見ても画面サイズが読めなかった。誰一人としてタブレットで成功したメーカーはなく、皆が同じ苦労をしたと思う。これから各企業が地に足を付けて戦略を作るころじゃないかと思います。
--ソニーはアンドロイドOSのタブレットでシェア1位を目指していましたが、達成できなかった要因は。
アンドロイドOSでシェアトップは難しいと皆に言われながらも、そういう商品作りが大事でした。価格競争の最たる市場だった米国では伸び悩みましたが、日本では成功しているし、メキシコでは1~2位を争っています。市場によっては、しっかりシェアが取れている。ソニーの初代タブレットも、手元に届いて使ってみれば認めてもらえる商品というのは思った通りです。