VAIOの延長がソニーのモバイルになる--ソニー・鈴木国正モバイル担当執行役《キーマンを直撃》
--タブレットの参入メーカーが増える中でソニーの可能性は?
スマートフォン市場については色々な統計がありますが、およそ年間6億~7億台と言われています。これに対しタブレットは7000万~8000万台で、マジョリティはスマホにある。タブレットはアップルが「iPad(アイパッド)」という面白い商品を出して期待値が上がり、ソニーも参入した経緯があります。
■タブレットはスマホ、PCと一緒くたに見るビジネス
正直、採用するOSはどれでもよくて、PCとタブレット、スマホは一緒くたに見るビジネスだと考えています。最低限必要なのは豊富なアプリケーションであり、どういうUX(User Experience=顧客体験)にしたいかという作り込みで端末の価値が決まってくる。
たとえば画面サイズの大きなタブレットは、ホームエンタテインメントのハブという位置づけが間違いなくあると思う。持ち歩くタブレットというよりは、家の中ですぐに起動して別の製品と親和性があるという考え方です。
画面サイズのすみ分けを限定するのは難しいですが、部屋の大きさに沿った画面サイズのテレビがあって、タブレットは手元に置ける10インチサイズくらい、スマホは4~6インチ程度と市場や個人によって変わると思う。最低でも、その程度のサイズバリエーションが出てくるでしょう。
ソニーとしては、わずか7000万台のタブレット市場の中だけで見るのではなく、スマホとPC含めた3つの商品作りを通し、どのOSを選んでUXを提供するかが重要になってきます。
--サムスンやアマゾンの低価格なタブレットが健闘する中、ソニーの価格戦略は?
価格だけで勝負することはありません。ただし電子書籍端末「リーダー」が最たる例ですが、アマゾンの「キンドル」の価格戦略に沿って価格を下げる場合もあります。リーダーの新モデルは9980円。ソニーも求めやすい価格を設定する姿勢は持っている。