VAIOの延長がソニーのモバイルになる--ソニー・鈴木国正モバイル担当執行役《キーマンを直撃》
ただ、それ以上に大事なことは、コンテンツの楽しみ方。ソニーが市場や顧客に訴えることは、コンテンツをさまざまなハードウエアで楽しむことができますよ、ということ。
だからリーダーのような専用端末で買ったコンテンツも、当然のようにスマホやタブレット、PCでも見ることができる。雑誌はカラーの方がいいだろうし、使い勝手を豊かにすることで、単品で回している企業の製品とは違う楽しみ方ができるし手応えもある。ある程度の市場のポジションはとれると思う。
--スマホ市場に目を向けると、成長著しい一方でサムスンとアップルの2強状態となっています。どうやって戦い、存在感を発揮していきますか?
今、アップルとサムスンが業界全体の利益9割を握っているのも知っているし、今のままでは大きな利益を望めるビジネスでないことも認識している。商品の付加価値を高めることが大事であり、ソニーとしては商品単体でどう付加価値を増すのかを考えています。
■2大メーカーだけが生き残るはずがない
そもそもこれだけ大きな産業で、アップルとサムスンの2大メーカーだけが生き残ることはありえない。顧客層が厚くなれば、顧客に合った製品・サービスを作り込むニーズも出てくるし、そこにソニーの可能性がある。まだスマホが登場して数年しか経っておらず、別にソニーが出遅れたとも思っていない。
ソニー・エリクソンの時から開発に力を注いできたのは事実だし、ソニーの資産をソニエリに渡してヒットモデルを作った時代もある。ただスマホになって、参入のタイミングが多少遅れたのは事実。さらに開発スピードも決して速くなかった。だから商品力強化に向けて、開発スピードをより早く、上位シェアの強い競合メーカー並みにするよう社内に呼びかけている。こういうことをきちっとやっていけば、必ずポジションは取れる。
僕らが狙うモバイルビジネスは、スマホにおいて最上位ランクのプレミアムブランドになるということ。日本ではすでになっているが、グローバルでも目標にしている。