『細胞から若返る生き方』を書いた新谷弘実氏に聞く


--酵素の摂取もむずかしくなっている……。

実は、ちゃんとした物を食べても、その中にある酵素やビタミン、あるいはミネラルは、50年前と比べると10分の1から20分の1ぐらいに少なくなっている。農薬や化学肥料によって、土の中の微生物をだめにしているからだ。

世の中、大量の微生物に汚染されているかといえば、そうともいえる。空気中に細菌が1cc当たり5000から1万いる。地中には1グラム当たり5億ぐらい、上空には1万メートルでも細菌はいるし、地中1500度の高熱の中にもいる。われわれは細菌の海の中で生活しているといっていい。だが、200万種類の化学物質を人間はつくり出した。その土の中の微生物を健康にしなければ、植物は健康にならないし、植物が健康にならなければ、それを食べる動物も、人間も健康にならない。

--腸の中の微生物が酵素の働きを助けているわけですね。

たとえば腸内細菌は100兆や200兆いる。人間の細胞の数は多いといっても40兆から60兆。なぜそれだけいるのか。それは健康を保つために必要なのだ。腸の中で酵素をつくったり、消化を助けたりする。大切なのは腸の表面に電子顕微鏡でも見えないような自然免疫のセンサーがあることだ。それは長い人類の歴史の中で進歩し、異物に遭遇したときにどうしたらいいか、考え出してくれる。

過去に、たとえばスペイン風邪のような世界の半分近くの人を殺した伝染病があったが、半分は死んでも、半分は生き残った。それは自然免疫力があったからだ。腸管ばかりでなく、口の中、胃、肺にも自然免疫のセンサーがある。ウイルスが入ってきても、それに向かって免疫細胞が働き、殺す。その作用にも酵素は重要な役割を果たす。

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