『細胞から若返る生き方』を書いた新谷弘実氏に聞く
4年前に200万部を超える超ミリオンセラーで話題をさらった著者が、「自然免疫力」を高める生活術の新作を刊行。その核心を聞いた。
--牛乳の功罪について、さらに踏み込んでいますね。
私がアメリカに行った45年前に現地ですでに日常茶飯事のように、「飲まないほうがいい派」と「飲んだほうがいい派」との論争があった。私自身、なぜこんなに骨粗鬆症や関節炎患者が多いのか、疑問に思って牛乳と関連付けて理解した。骨が強くなると、牛乳はもてはやされていたのだが。
--何がいけないのですか。
6000種類ぐらいの哺乳類の中で、成長して自分で食べられるようになってからも、ほかの動物の乳を飲むのは人間だけだ。ほかの動物の乳を盗んで飲んだりしたら、なんらかの障害が出て、その子孫は絶えるのが自然の摂理といえる。
もともと妊娠させないと乳牛は乳が出ない。市場に牛乳をコンスタントに出すために、たいてい3カ月ごとに人工受精させる。乳を与えているときは子どもを妊娠しないのが普通だが、8割程度の受精率がある。その乳に、新たに受精していない牛の乳を混ぜると8割近くは、通常のなんと7万倍ぐらいの女性ホルモンを含むといわれている。それを人間男子が小さいときから飲んでいたら、たとえば睾丸の機能に疑問符が付く。女性ホルモンの過剰で精子の数に問題が出てしまう。
--以前、「環境ホルモン」で同じような指摘がありました。
日本の社会の大問題に少子化がある。いま10組が結婚すると3組から3・5組は子どもが生まれない。これは、おカネがないからとか、セックスレスだからという理由ではない。不妊症に近い問題だ。
少子化を云々するなら、学校給食から牛乳を取り去ることを考えないといけない。骨粗鬆症とか白血病とかのリスクを考えれば当然だ。ただし、睾丸も25歳ぐらいで完成する。その年齢以降ではミルクが好きなら飲むのは自由だ。チーズ、ヨーグルトも自由に食べていい。チーズやヨーグルトにも女性ホルモンは入ってくる。原乳と同じことだからだ。