『細胞から若返る生き方』を書いた新谷弘実氏に聞く
牛乳についてはほかの問題もある。たとえば片方の乳がん手術をして、これからどういうものを食べたらいいかと聞く。医者は手術もしたし、治ったと思うから何でもいいと言うとする。しかし、いままで食べてきたものにがんも関係する。それも変えなければ治ったとはいえない。女性ホルモン入りの牛乳や乳製品はやめたほうがいい。そんなことをしていれば1年半後にはもう片方(の乳房)にもがんが出る。
--人間は食べ物でそれほど変わりますか。
内視鏡を通じて腸を検査して、もう35万例を超した。腸相、胃相というものがあり、健康状態が一目でわかる。手相を理解する日本ではこの見方がスーッと受け入れられる。健康なら、腸はやわらかくてつやがよく、内視鏡も抵抗なく受け入れる。腸がよければ血液もきれい、骨もきれいだ。皮膚年齢も若い。
腸相を見ると、この人は何を食べ、どういう病気を持っているかが、かなりわかる。日本人は腸が長くてやわらかい、アメリカ人は短く硬いといわれるが、食べ物によっては、この状態も1年も経てば変わる。穀物や野菜、魚を少々の食事を続けると、腸はやわらかくなって長くなる。肉を4~5回食べても、腸は変化を示す。人間の体は「ちゃんとした食べ物」を要求している。
--「ちゃんとした食べ物」とは。
人間の歯並びからして、臼歯が5対と門歯が2対、犬歯が1対ある。臼歯には穀類・豆類、門歯はフルーツ・野菜、そして犬歯は動物食向きだ。歯自体が5対2対1の構成、つまり植物食と動物食が7対1にならないと自然摂理にかなわない。
昔から玄米食がいいといわれる。確かにそうだが、酵素という考え方がない。これがいかに大切かと言い出したのは日本人でなくてアメリカ人だった。酵素栄養学というものがある。植物食にしてもナマ食がほんとうはいい。摂氏48度以上になると、酵素は死ぬから、せっかくの酵素が足りなくなる。病気、特に生活習慣病は酵素が足りないからという説もある。