「貯金に走る人」は経済的な成功者になれない 一流は考え方や行動、習慣がやっぱり違う

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グリーンカード(永住権)を持たない非居住者が、合法的にアメリカに住むのは決して簡単ではありません。まずは就労ビザが必要で、当時スポンサーをつけずにいちばんハードルが低いのは、専門的な職業に携わる外国人向けの「H1ビザ」でした。

明確な理由こそが、成功へのモチベーション

彼の意志は固かったので、私は少し考えて「では、寿司職人になったらどうですか?」とアドバイスしました。冗談ではなく本気で言いました。なぜなら、当時は日本の伝統文化を伝える寿司職人であれば、ビザが下りる可能性が高かったからです。

彼にとってはまったく予想をしていなかったアドバイスだったのでしょう。少し戸惑いもあったようですが、最終的に彼はアメリカで寿司職人への道を歩むことに決めました。どうしてもアメリカに行きたいという思いからの決断でした。その後、2年ほどは現場で修業を積み、やがて彼は念願の自分の店を持つことになりました。そして店を次々にオープンし、今や5店舗のオーナーです。彼は当初の夢を実現し、もう現場では握っていません。立派な経営者となり、南カリフォルニアで悠々自適な暮らしをしています。

もちろん最初は寿司など握りたくなかったでしょう。しかし彼は「長い人生の一時、やりたくないことも夢を実現させるために必要だと思った」と話しています。「どうしても成し遂げたい!」というこのあくなき執念こそが、不可能を可能にさせます。

その執念を引き出すためには「なぜそこまでやる必要があるのか?」という強い理由が必要です。これが英語でいうところの Big WHY ? でありCompelling reason (絶対にやらなければいけない強い理由)なのです。「あなたは、なぜそれをやりたいのですか?」。この明確な理由こそが、成功へのモチベーションとなります。一流の人はこれが明確に定まっており、次々と目標を達成していきます。

一流の成功者は「運」を大切にしています。私は複数の米国の超富裕層に、「あなたの成功の要因は何だったと思いますか?」と聞いたことがあります。彼らの多くは、

I was lucky. I was at the right place at the right time.

つまり、「自分は運が良かった。正しい時に正しい場所にいたからこそ成功できた」と答えます。

ただし、これは彼らが単に運を引き寄せたということではありません。「自ら運を取りに行った」というような積極的な言葉を意味します。彼らの言う運の定義とは、「最高の情報を最高のタイミングと、最高の環境、条件で受け取れるかどうか」です。「運」と「実力」は明確に区別されるものであり、彼らは「運」とは自分の心掛け次第でコントロールできることも知っています。

もし「運命を変えたい」あるいは「良くしたい」と考えるのなら、最も手っ取り早いのは付き合う人を変えることです。「運」にかかわっているのは、人間関係であり、運をよくするには運のいい人と付き合うことだからです。自分自身が「与える人」となることはもちろん、「与える人」と付き合うことが運を引き寄せる重要なポイントです。

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