マイナス金利の本質を知らない人は損をする ビジネスマンが「経済学」を学ぶ意味
私は、東京大学経済学部と大学院の経済学研究科で22年間、東大で教鞭をとってきました。実は長い間、経済学は「死んだ学問」だと揶揄されてきました。なぜなら、経済が「過去に起きたことをモデル化する」という学問だからです。その認識がここ5年くらいで、大きく変わってきた感じがしています。経済学が「本当に役立つ時代」がやってきた、と私は考えています。
なぜ経済学が「必要」になったのか?
経済学が「必要」とされるようになった理由は、ひと言でいえば、経済が成熟したからです。経済が右肩上がりの時代であれば、何も考えなくても、どこの国でも成長することができます。もちろん、個人の給料も、苦労せず毎年上がります。そういうときは、わざわざ過去を振り返る必要はありませんし、皆が同じような夢を実現したいと思っているので、政府の経済政策にも迷いがありません。
でも、多くの先進国において成長が止まると、そういうわけにはいきません。「今ある富をどうやって分配すればいいか」「人々の好みが多様化しているので、誰の利害優先すべきか」といった、少し複雑な問題が出てくるわけです。
まさにそのときに役立つのが、経済学の知識、そして「経済学的思考」なのです。
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