育児休業制度の整備が進んでいる。常用労働者5人以上の民営事業所を対象に厚生労働省が2008年10月時点で実施した調査によると、育児休業制度の規定がある事業所の割合は66.4%で前年から4.8ポイント上昇。事業所規模30人以上に限るとほぼ9割に達している。
しかし、実際の取得率では、女性が一貫して上昇して90%を超えたのに対し、男性は前年より0.33ポイント低い1.23%止まり。1990年代に比べれば高いが、取得期間も1カ月未満が過半を占め、子育てのために休業する男性社員が例外的ともいえる少数派であることに変わりはない。
男性の低調な取得実績の背景には、安心して休業できる条件が整っていない現実がある。育休期間中は定期昇給を行わない事業所が過半数で、退職金の算定に関しては3分の1の事業所が育休期間を勤続年数にまったく算入せず、取り扱いを「特に決めていない」も2割に上る。そもそも休業中・休業後の労働条件を書面で明示している事業所は45%にとどまる。これでは育休で不利益を被るかもしれないとの不安を払拭できない。
また、雇用管理面では育休取得者に「代替要員を補充せず、同部門の他の社員で対応」が46%、復帰後の職場・職種が会社の人事管理等の都合で決まる事業所が1割に上る。育休の取得促進には、こうした周囲への影響や自分の仕事に対するケアも必要だといえる。
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