厚生労働省の調べによると、2008年10月時点でパソコンなどコンピュータ機器を使用している事業所の割合は97%。事務・販売等に従事する労働者のほぼ9割がコンピュータ機器を使っている。
個々の労働者の仕事において、こうしたVDT(Visual Display Terminals)機器を使う作業のウエートも高まっている。勤務日1日当たりのVDT作業時間を見ると、4時間以上が46.7%(うち6時間以上25.0%)を占め、前回03年調査時から9.2ポイント(6時間以上4.4ポイント)上昇。4時間以上の割合は、20代・30代で過半、事務職で6割、情報処理職では9割にも達する。
長時間化するVDT作業に、仕事以外でのVDT使用(4人に1人が1日2時間以上)も加わり、心身の疲労やストレスが生じる。精神的な疲労やストレスをまったく感じていない人はわずか15.7%。目・腰・背中の疲れや痛み、首・肩の凝り、頭痛といった身体的な疲労や自覚症状を感じている人は68.6%、事務職や情報処理職では7割にも達する。
しかし、企業の取り組みは遅れぎみだ。この5年間、作業環境の顕著な改善は見られない。VDT作業時間の管理対策を講じているのは1割にとどまり、従業者個人の裁量に任せている事業所が多い。作業者や監督者に対するVDT作業に関する教育、VDT健康診断を実施している事業所もまだ1割前後である。
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