■メンズノンノを開いて驚愕!
今年3月17日、カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングがデザイナーのジル・サンダーとの契約を発表し、ファッション界に激震が走った。ジル・サンダーといえば、最高級のブランド。彼女がデザインしたアイテムは数万円から十数万円するものだ。ユニクロとのコラボで価格はどうなるのか、アイテムはと、注目が集まっていたが、ついにその独自のコレクション「+J」(プラスジェイ)が姿を現した。
実に22年ぶりにメンズノンノを買った。この秋冬のワードローブをチェックしようということではない。特集記事「ユニクロ×Ms.ジル・サンダーが、世界を変える!」をチェックしたかったからだ。
「世界を変える」なんて大げさな……と思っていたが、少なくともユニクロは大変身する。いや、世間のファッションの価値観も大転換するかもしれない。
6ページ、6パターンの着こなしが紹介されていたが、洗練されて繊細、かつ上質でミニマルなデザインは間違いなくジル・サンダーの手によるもの。「design without decorathion(装飾のなきデザイン)」のコンセプト通りである。
雑誌に紹介されたラインナップは、ジャケット類(ミリタリージャケット、ダウン、ピークドラペル)・1万2900円、 ニット・1万2900円、カーディガン・1万4900円、シャツ・3990円、パンツ類(スラックス、ジーンズ)・4990円、カットソー・1990円といったところ。
そのデザインを見た知人女性は「この服がこの値段で買えちゃうの!やばいです」と驚きを隠せない様子だった。メンズが40品番、ウィメンズが100品番程度になるというから、期待は膨らむ一方だ。
ジル・サンダーブランドは99年にプラダグループに買収されたが、素材の品質に対する考えの対立でジルが辞任。03年に復帰するも、翌年再び不調和で辞任している。「品質へのこだわり」という点では恐らく、ファーストリテイリングとの契約は最も正しい選択肢であったといえるだろう。
ユニクロがロードサイド店として展開していた時代の認識のままの人にはオカシナ話に聞こえるかもしれないが、現在のユニクロの品質へのこだわりは凄まじい。大手アパレルメーカー幹部も品質だけで勝負したら負けると漏らしていた。
そこにジル・サンダーのデザインである。
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