ユニクロ無敵伝説が完成?「+J」で問いかける新しい価値《それゆけ!カナモリさん》

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 加えて今回の「+J」の展開でユニクロの価値は一気に高まった。単品で1万5000円以下という衝撃のプライスでジル・サンダーのデザインが手に入るのだ。ただの高品質ではない。最高品質だ。これを「スーパーバリュー」と言わずして何と呼べばいいのか。

この方向性を後押しするようなデータもある。日経ビジネスアソシエ8月4日号に、マーケターの三浦展氏が「若い世代ほど『ユニクロ』に好意 『シンプル族』の増加で日本が変わる」とのコラムを寄せている。三浦氏は衣料品ブランドに対する世代別、階層意識別の好意度を提示し、団塊ジュニア以降の世代は、無印やユニクロを低所得層のための衣料とは見なしておらず、むしろ一般的なカジュアルウエアとして階層にかかわらず愛用していると言える、としている。

これまでのファッション業界の常識を大きく塗り替えるチャレンジをユニクロとジル・サンダーは始めたのである。発売は10月2日。行列が出来ることは間違いないだろう。世界的にも人気を呼びそうだ。これまでブランド力で勝負をしてきたメーカーは、戦々恐々としているかもしれない。

もはや、向かうところ敵なしの状態といっていい。ファーストリテイリングは目標とする「2010年売上高 1兆円」に向かって、真っ直ぐ突き進んでいる。少なくとも筆者には、そう見える。

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2009年8月21日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。

 

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